看病［sha］ ページ24
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戦いを楽しむだなんて私には到底できない。
彼は、笑顔で敵を薙ぎ倒す。軍の中でもそういう認識だった。
けれど、楽しそうに戦った後、傷を手当てする背中が見ていられなかった。私の知っている彼は人を傷つける事を楽しめるほど幼稚じゃない。
だから、火花散る戦場で彼の背後に忍び寄る影に剣を突き立てたのだった。自分に隙ができると分かっていながら。
目が覚めたのは医務室だった。ベッドに手をつこうとしたら、人肌が手に触れて思わずギョッとする。よかった、シャオロンだ。
小さな寝息が聞こえる。これは寝てるな。
見たところ目立つ怪我は無いようだ。対して自分は先ほどから後頭部がズキズキ痛む。後ろから殴られたらしい。
どんな具合なのだろうと包帯を解いていたら、殴られた所を強く押してしまったらしい。思わず出てしまったうめき声にベッドの隅っこでうずくまっていた茶髪が持ち上がった。
「…………はよ」
『仕事は？』
「今、夜中やで」
背後にあった窓を振り返って見たら星が瞬いていた。
「ありがとう。お前がやってくれんかったら俺たぶん切られてたし……ごめんな」
こんなにしゅんとしたシャオロンは珍しい。今回の件はよほど応えたようだ。
『いいの、そのために私がいるんだから』
「は」
『私ね、決めてたんだ。守るために剣を取ること。だからシャオロンを守れてむしろ嬉しいよ』
仲間が傷つくくらいなら私が。もちろんその仲間の中にシャオロンも含まれているのだから、守れて心から嬉しい。
『よかった、無事で』
見上げるシャオロンの赤みがかった頬を撫で上げる。この頬の熱が冷めきって、この目に光がなくなって、名前を呼んでも私の方を見てくれなくなる＿＿そんなの考えただけで恐ろしい。
あの時の私の判断は正しかった。この傷は勲章だ。
「なんか、モヤモヤする」
形の綺麗な二重が伏せられた。こんな曇った表情、珍しい。
「…………お前やっぱ後方下がらん？」
『え、なんで！？』
「俺の手柄取られるし」
『ちがっ、そういうつもりじゃ……』
「俺のこと守ってくれたんは感謝しとるけど！」
『じゃあいいじゃん！』
「違う……ちゃうやん！俺やって守るために戦っとるんやから、Aが傷ついたら意味ないやん……！」
「なあ、もうちょっと静かにしてほしいんやけど」
互いに声を張り上げてしまって、隣の部屋で仮眠をとっていたしんぺいさんを起こしてしまったらしい。寝起き早々、二人揃ってお小言を言われる羽目になってしまった。
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元青磁(プロフ) - 森。さん» ﾜ°……！？あばばばばありがとうございます(；▽；) (4月18日 20時) (
レス) id: d3f69151ea (このIDを非表示/違反報告)
森。(プロフ) - この甘すぎずさっぱりしすぎずの距離感好きです！！！ (4月18日 17時) (レス) @page20 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：元青磁 | 作成日時：2024年4月9日 4時
