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「すぐとってくるんで、まっててください」
『え、あ、』
それは、私が思っていたよりも案外すんなりとした言葉で。
返事をする間もなく私の横を通りAクラスへと入っていき1分もたたないうちに私が切望していた教科書とノート一式をとって戻ってきた。
「確かこれやったよな」
『はい、これで間違いないです。ありがとうございます』
「ええよ全然、礼するって言ったし」
というかこんなん礼のうちに入らんやろと言うシュヴァイン様。なんて優しい人間なんだろうか、努力家に加えて周りの人間に優しいなんてモテるのも納得がいく。彼がモテいるのは顔の良さだけではない気がする。
はい、と手渡された教科書を恐る恐る受け取る。
良かった、これで怒られることなく授業にでることができる。安心したのか思わず頬が緩む。
「そういえばシュヴァインなんて堅苦しいし名前呼びでええよ」
『え、いやでも』
「俺もデーネルトさんのこと名前で呼ぶし、あかん？」
『えっと、じゃあトントン様って呼ばせて貰いますね』
身分が自分よりもぐんと上なため抵抗感があるが教科書を借りた身であるため拒否するなんて選択肢はなく、こくりと頷けば嬉しそうにはにかむ。
強請られてグルッペン様の事を名前呼びしている時点で名前呼びのハードルが段々と麻痺している気がするがトントン様は適度な距離感を保ってくれそうだしなんとなく大丈夫な気がする。
「そろそろ教室戻らんとやばいんちゃうん？」
『あ、そうですね。ありがとうございます。授業終わりにまた来ますね』
「あーいや、昼休みにいつものところおっててくれたら取りに行くわ」
『えっ』
「ほら、急がんと間に合わんで」
腕時計を見ればあと3分、まだペンケースの用意もしていないので少し急がなければいけない時間。
『し、失礼しますっ』
「コケんようにな」
愉快そうな声色にのせて冗談交じりに言った言葉を後目に早歩きでAクラスから離れていく。
彼から借りた教科書を落とさないよう、しっかりと抱え込みながら。
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もとろん(プロフ) - 杏さん» コメントありがとうございます。書き手が欲しい言葉を1から100まで揃えてありがとうございます。待ってくださる方がいるだけで励みになります！これからものんびりと創作活動に付き合っていただけますと幸いです。 (1月16日 0時) (
レス) id: d035e17497 (このIDを非表示/違反報告)
もとろん(プロフ) - ロリコン女さん» 最高と言っていただけて感謝感激です。のんびりではありますが更新していきますので気軽にお待ちいただけると嬉しいです！ (1月16日 0時) (レス) @page28 id: d035e17497 (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - 初コメ失礼します。つい最近この作品に辿り着いた者なんですが、文章が綺麗で凄く読みやすく、面白くてあっという間に最新話まで読み切ってしまいました。お話が更新される度歓喜で舞い上がっています！ 作者様のペースで更新頑張って下さい。応援しています。 (1月8日 17時) (レス) id: efc02aac0e (このIDを非表示/違反報告)
ロリコン女 - 最高です。もう、好きです。逆ハー大好きなので逆ハーと見た瞬間とっても嬉しかったです。更新頑張ってください！！！ (1月8日 8時) (レス) id: 6f972d6ac3 (このIDを非表示/違反報告)
もとろん(プロフ) - の〜さん（旧もこ）さん» 私も大好物なのでとても気持ちがよく分かります。作品の展開的に登場させるのは遅くなってしまいますが全員かくつもりなので気長に待っていただけると幸いです (1月7日 23時) (レス) id: d035e17497 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もとろん | 作成日時：2023年9月28日 15時
