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「……両親がいない子が、多かった。あとは私みたいに家族が居ない人は学費免除だったし、家族がいても都内の国立と比べると圧倒的に学費が安かった。
……それといちばん妙だったのが、受験して入学じゃなくて、推薦制度しかとってなかったこと。
A学園って凄く待遇良くて学費も安くて進学実績もとびきりいいから、推薦されたら勿論みんなA学園に行くだろうなって思ってて……。ただその推薦の基準が本当にわからなかった。クラスメイトを見る限り学力で決められてる訳でもなさそうで、だからといって私運動音痴だから運動神経の良さとかで決まってる訳でもないんだろうなって」
シャオロンは黙った。この待遇の良さと推薦制度という特別な進学方式、人体実験した人間を高校の時に確実に集結させる魂胆か。一度そう言われてみればそうとしか思えない。
Aが俯いたまま顔をあげようとしないのが痛々しくて、まるで今までの人生まるきり全部飼い殺しみたいなものだったと思ってるみたいで、どう声をかけていいかわからなかった。
「……A、」
「っぁ、ご、ごめんなさいわたしっ、ちょっとビックリしちゃって。もしかしたら私の両親が居ないのをいいことに私を操ってたのかなっておもっちゃって、はは、おかしいですね、そんなわけないのに……」
シャオロンはいてもたってもいられなくなって立ち上がる。回り込んでAの近くまで駆け寄ると、つい、本当につい、彼女をつよく抱きしめてしまった。ほとんど無意識だった。それくらい彼女が可哀想で、無邪気で、いじらしくて、庇護欲を掻き立てる。
他の誰でもない、俺が守ってやらんと。
「……泣いてええよ」
「ぇ、」
「傍におるから」
Aは彼の腕の中で大きく目を見開くと、どうしようもなく鼻の奥がツンとして、眉がどうしても下がってしまう。
っ、なんて小さくこぼれた嗚咽が引き金になり、堪えきれずに涙が溢れてしまった。普通の高校を進学するには金銭的に難しいからとA学園からの推薦を貰うために努力した三年間とか、両親がいないことから色々と苦労した日々とか、ようやく手に入れた居場所が一瞬で崩れ落ちる感覚とかが、走馬灯みたいによみがえる。
Aはひたすらシャオロンの軍服を涙で濡らしながら、彼の服を掴んで願った。
ああほんとう、これが夢じゃありませんように。
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にのやも(プロフ) - 梓月さん» 流石悪運なだけありますね(><) シナナイデ……ツヨクイキテホシイデス……😢 (5月2日 23時) (
レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
梓月(プロフ) - ｴｪﾝ また何かに巻き込まれようとしている…泣 ﾄﾞｳｼﾃ…ﾄﾞｳｼﾃ……無事に生きてくれぇ〜 (5月2日 19時) (レス) @page35 id: c21b6e797e (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 元薺(サイ)だった者さん» コメント有難う御座います(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”！ 例の美女は私のタイプの塊なので魅力を感じて貰えて冥利に尽きます！︎︎︎︎ 読者様の好みの作品を作ることができて光栄です、是非最後までお付き合い下さい！⋆* (5月2日 17時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
元薺(サイ)だった者(プロフ) - コメント失礼します！主人公ちゃんの特異な体質や、それにメンバーがどう対応していくのか…そしてあの美人ちゃんの性格全てが魅力的すぎて…こういう作品が大好きでずっと探してたんです…！これからも応援してます！ご無理せず更新頑張って下さい！！ (5月1日 19時) (レス) @page33 id: b4227fd166 (このIDを非表示/違反報告)
*ゆきうさぎ*(プロフ) - にのやもさん» にのやも様のモチベになったら読者としては幸せでございます🌷.* 更新は読み返しながらゆるりとお待ちしておりますので、焦らずにのやも様のペースで❀ (4月20日 20時) (レス) id: aa12f1452f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にのやも | 作成日時：2024年4月5日 19時
